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■箱足 

  箱足は箱馬ともいい、板を張り合わせ箱の様な形にした道具です。平台の下に置いて足にしたり、ちょっとした道具を立てる時に台にしたり、椅子代わりに座ったり、大女とキスをする際の踏み台にしたりと、使い方は様々です。
 縦1尺1寸、横1尺、幅6寸の物が一般的ですが、色々な大きさの物があります。
 大女とキスするで思い出したのですが、映画の世界では、撮影時に小さい俳優が箱足の上に乗って背を高く見せる事を「雪洲する」と言うそうです。これは昔ハリウッドで活躍した日本人俳優の早川雪洲が小男だった為に、度々箱足に乗って身長をごまかしていた事から来ているそうです。
 所でこの箱足を含め、前に説明した平台、所作台などは大概ホールには常備してあり、大道具屋がこれらの物を持ち込む事は滅多にありません。ホールの物を借りて使う事がほとんどです。中でも平台、箱足は大道具を組み立てる時の土台に使う事が多いですから、当然釘も打ちますし、時にはへこんだり角が潰れたりもします。
 でもそれでいいんです。皆さんがもし、これから平台や箱足を借りる機会があり、そしてホールの管理者に「平台や箱足は大切な備品だから絶対に釘を打つな」と言われたら、堂々と言い返してやりましょう。
「平台や箱足は消耗品、釘を打つ為にあるんでい!それにここの備品は全部おれ達の税金で揃えたんじゃねえか」と。
 どうも度々言葉が荒くなってすいません。道具屋はいつもこんなじゃありませんよ。

箱足

■上手、下手

  上手、下手とは大道具ではありませんが、舞台でよく使われる言葉なので取り上げてみました。ジョウズ、ヘタと読むのではなく、カミテ、シモテと読み、客席から見て舞台の右側の事を上手、左側の事を下手と呼びます。
 別に舞台が斜めになっているからこう言う訳ではありません。どこのホールでも構造計算書をごまかしたり手抜き工事をしていない限り、舞台はちゃんと水平です。でもなぜか右が上、左が下なんです。しかも右左を上下に見立てた呼び方は大道具にも影響しています。
 例外もありますが一般的に舞台では上手に御殿や山など高い物を置き、下手には海や川など低い物が来ます。役者も同様で、上手には神様ややんごとなき高貴なお方などが立ち、平民や遊び人の金さんなどは必ず下手からノコノコ現れるってえ寸法になってます。(もっとも正体を明かした金さんは上手から登場する事になりそうですが)
 どうしてこういう決まりになったのかと言うと、詳しい事は知りませんが、ただ私の個人的な考えを言いますと(養老何とか先生じゃありませんが)大脳生理学的にどうも人と言う物は右上に高い物を望み、左下に向って下っていく構図に安定感を抱く傾向にあるようです。ですから舞台の世界でも自然に右側に山を置き偉い人が鎮座し、左側には川が流れ一般人がうろちょろすると言う図式になったのだと思います。
 そのいい例がかの有名なモナリザです。皆さんはモナリザの神秘的なあの微笑みの方はピンと来ると思いますが、その後ろに描かれている風景はすぐに思い浮かばないと思います。暇のある方は試しにモナリザの画像を検索してご覧になって見てください。ほら、ちゃーんと右画面を頂点に荒涼とした山々が連なり、左はとうとうと流れる清流が描かれているでしょ。
 とまあ、思いもよらずアカデミックな話になってしまいましたが、これはあくまでも私の個人的な意見ですので、ホテルの高級バーかなんかでカクテルを傾けながらお目当ての美人にこの話を自慢げに語らないように。もし間違ってても私は振られた責任までは負いませんよーだ。

上手に山がそびえ、下手に川が流れ

 

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